■がんばれぼくらの世田谷線へ



平成13年9月2日、はじめて大正電車に乗った日。


■はじめに


WH製のマスコンを備えるモ514運転台

 世田谷線から旧型電車が消えて半年が経った平成13年9月2日、青春18きっぷで廃止間近の谷汲線に乗りに行った時のこと、大垣夜行から乗り継いで黒野駅に着くと隣のホームに白と赤色の電車が待っていました。すぐに岐阜駅前行きで走ると聞いて、そのまま来た道を折り返すことにしました。
 ドアが閉まり、「チンチ〜ン」の合図で、WH製マスコンのノッチが入れられると、ノッチを入れるコツコツという音とともに、重い釣り掛けの音が全開の窓から風にのって聞こえてくる・・・世田谷線で何度となく体験してきたあの音、あの風、あの雰囲気。ありし日の思い出が一気に蘇りました。
 もう二度と体感できないと思っていたあの感覚と再会して、一気にこの大正電車のファンになりました。以来、谷汲線の廃止で活躍の機会が急激に減ったものの、朝の代走運用などで走ると聞くと、癒しを求めて岐阜まで出向く日々が続きました。
 ところが、平成16年、名鉄は510形の現在のホームグラウンドである揖斐線を含めた600V線区全線からの撤退を発表し、去る平成17年3月31日をもってあっけなく廃止となってしまいました。
 せっかく見つけた“あの感覚”ともお別れとなってしまいました。しかもこのようなきっかけでお別れしなくてはならないのは本当に残念ですが、今後どこかで奇跡の復活があるのを密かに期待しつつ静かに見送ってあげたいと思います。このページでは、世田谷線とは直接関係ありませんが、世田谷線の旧型電車の面影をたどって追いかけた510形、名鉄600V線区を紹介します。

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